著作権保護期間の延長問題を考えるフォーラム - thinkcopyright.org


メールマガジン

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 著作権保護期間の延長問題を考えるフォーラム
 think C メールマガジン vol. 22
 http://thinkcopyright.org/

【パブコメ報告&提言プロジェクトチーム発足、の22号】 2008.4.4

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■次回公開トークは、ふたたび強力布陣で4月15日!(既報)

春らんまんの第6回公開トークは、知財関係者の熱い視線を集めつづける
田村善之教授が北の地から桜前線を逆行、満を持して登壇します。更にフ
ォーラム設立シンポでのまさかの降板から1年、「サルまん 2.0」連載開
始など復調なった竹熊健太郎、さえる毒舌・山形浩生、クリエイティブ・
コモンズ・ジャパンを牽引する野口祐子、という強力布陣がジャンルを超
えて、いま著作権に何が欠けているのかを語ります。


think C 公開トーク vol. 6
『著作権には何が欠けているのか』
−創造の円環(サイクル)を廻しつづけるために−


登壇者:

竹熊健太郎(文筆家、編集者)
田村善之(北海道大学大学院法学研究科教授)
野口祐子(弁護士、クリエイティブ・コモンズ・ジャパン専務理事)
山形浩生(評論家)

  *以上、全てthink C発起人・敬称略

日時:2008年4月15日(火) 午後6:30〜8:30
場所:慶應義塾大学 Global Studio
   (三田キャンパス東館6F・約120席)
http://www.keio.ac.jp/access.html
山手線・京浜東北線 田町駅8分
都営浅草線・三田線 三田駅7分
都営大江戸線 赤羽橋駅8分

【入場無料・申込先着順】
※終了後、自由参加の懇親会(有料:3000円前後)を予定。毎回満席の
公開トーク必修課目です。はじめての方もご遠慮なく!
申込みはこちらから→
http://www.thinkcopyright.org/resume_talk06.html

主催:think C (著作権保護期間の延長問題を考えるフォーラム)
   慶応義塾大学DMC機構(http://www.dmc.keio.ac.jp/)
   コンテンツ政策研究会(http://contents-policy.net/)

趣旨:
各界から異論も相次いでいる著作権の保護期間延長論ですが、延長の論拠
に、「延長が創作を促進する」との主張があります。これに対して、「作
品の適時なパブリックドメイン化、流通の円滑化こそが創作を促進する」
という指摘も根強いところです。目指すところは同じ創作促進のはずなの
に、意見は容易に一致しません。

一方、目を著作権全体に転ずれば、「著作権リフォーム」などのテーマで
著作権制度全般の再構築を検討するイベントや研究活動、提言も国内外で
相次いでいます。その背景には、デジタル時代を迎えて著作権の重要性が
高まる一方、著作権と表現活動・ユーザー活動の衝突が増えたことへの社
会各層の苛立ちともいえる思いがあるようです。

「壮大な社会実験」(福井健策)である著作権は、まさに「憂鬱の時代」
(中山信弘)に入ったのかもしれません。

その中で、保護期間延長は果たして並んで検討されるべきアジェンダなの
でしょうか。「創造のサイクル」を廻しつつ適正な利用をはかるという目
的にとって、現在の著作権に欠けているものがあるとすれば、それは何な
のでしょうか。

各界を代表する論客が、今の著作権制度に不足や不満を感ずる点は何か、
ざっくばらんに話し合います。その中に、日本と国際社会が保護期間の問
題をどう決着させるべきか、決定的なヒントが隠されているかもしれませ
ん。

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■報告:知財戦略本部にパブリックコメントを提出

政府・知的財産戦略本部が、見直し意見を募集していた「知的財産推進計
画2007」に、think Cとして下記のパブリックコメントを提出しました。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/kettei/070531keikaku.pdf

「わが国の著作権の保護期間を現在より20年延長すべきか否かの問題につ
いては、延長によるさまざまな悪影響を危惧する声も少なくない。保護期
間は一度延ばせば短縮は現実に難しく、そのため将来の世代にまで影響が
永続する可能性がある。

当フォーラムではかねてより、多様なセクターの関係者から意見を聞き、
かつ、延長がされた場合の影響について実証的検討を尽くすべきである旨、
提言して来た。昨年度文化審議会内に設置された「過去の著作物等の保護
と利用に関する小委員会」での議論は、こうした要望にも沿う形で各界の
関係者32名からヒアリングをおこなうなど検討を重ねて来たが、同ヒアリ
ングでも延長に対する危惧や懸念は延長を求める意見を大きく上回った。
また、最近になって保護期間延長のデメリットを示す経済分析も複数報告
されている。この間、各種メディアでも延長問題をとり上げる報道は数多
くされているが、延長を積極的に推進する論調のものはほとんど見られな
い。

 参考:
 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/021/07050102.htm
 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/021/07051627.htm
 http://www.21coe-win-cls.org/rclip/newsletter/200712.pdf
 http://thinkcopyright.org/resume_talk05.html

上記の事実や(欧米で保護期間が延長された1990年代以降の)世界の変化
を踏まえ、豊かな文化と社会にとって最善の結論を得て、速やかに世界に
向けて日本の意見を発信すべきである。

 当フォーラム発起人・事務局一覧:
 http://thinkcopyright.org/list.html
 http://thinkcopyright.org/about.html

*「しまった、パブコメを出し忘れた!」という方。下記では常時、知財
政策全般について意見募集中です。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/goiken.html

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■文化審・小委員会が、約4ヶ月ぶりに開催

文化審議会「過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会」(保護利用
小委)が3月14日、約4ヶ月ぶりに開催され(この間WTは別途開催)、
著作隣接権に関する裁定制度などが話し合われました。次回開催は4月の
予定です。

http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/03/14/18812.html
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080314/296308/?ST=pc_news
http://www.mainichi.co.jp/universalon/report/2008/0301.html

今後の開催案内はこちら:
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/index.htm#kaisai

過去の議事録などはこちらの17番:
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/index.htm#gijiroku

保護利用小委での昨年の議論のまとめはこちら:
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/010/07101103/005.htm

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■提言プロジェクトチームを発足

think Cでは今後の延長問題の決着に向けて、これまでの議論を踏まえて
延長問題に対する意見、また、仮に保護期間を延長しない場合、創作振興
と流通促進をいかに図るのか、フォーラムとしての提言をまとめて公表す
ることを検討しています。そのため、フォーラム内で下記メンバーによる
プロジェクトチームが発足しました。今後、提言案を作成し、議論を経て
公表する予定です。

プロジェクトチームメンバー(50音順)
太下義之:三菱UFJリサーチ&コンサルティング芸術・文化政策センタ
     ー長(文化政策)
金正勲:慶應義塾大学デジタルメディア・コンテンツ統合研究機構准教授
    (デジタルコンテンツ産業論)
小林真理:東京大学大学院人文社会系研究科准教授(文化政策)
田村善之:北海道大学大学院法学研究科教授(知的財産権法)
津田大介:IT・音楽ジャーナリスト
長塚真琴:獨協大学法学部准教授(著作権法)
林紘一郎:情報セキュリティ大学院副学長(法と経済学)
平田オリザ:劇作家、演出家、大阪大学教授
福井健策:弁護士(芸術文化法)
横山久芳:学習院大学法学部准教授(著作権法)

(事務局)
生貝直人:クリエイティブ・コモンズ・ジャパン事務局員
酒井麻千子:東京大学大学院 情報学環・学際情報学府

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■文化審・小委員会は次回4月中旬に開催予定

文化審議会「過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会」(保護利用
小委)は次回、4月中旬の開催予定です。

今後の開催案内・傍聴申込はこちら:
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/index.htm#kaisai

過去の議事録などはこちらの17番:
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/index.htm#gijiroku

保護利用小委での昨年の議論のまとめはこちら:
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/010/07101103/005.htm

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■延長問題をめぐるその他の記事・イベント

関口威人「コピーライト2008 「著作権」のゆくえ 小津映画をめぐ
る不思議 資料館“権利”に遠慮 専門家も首ひねる取引」
中日新聞 2008.03.20 朝刊

※当フォーラムでは、著作権保護延長問題に関する情報(イベント、情報、
書籍、記事、オンライン上での言及など)を随時募集しています。これは
というものがございましたら、下記事務局までお知らせ下さい。

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■think C のバナーをアップ中

フォーラムHPに、椿昇氏(発起人)デザインのロゴを用いた「think C」
バナーを掲載しました。ブログなどでリンクする際など、ご自由にお使い
ください。 というか、ぜひ使ってください。
http://thinkcopyright.org/about.html

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■延長問題とは?

日本では著作権の期間は「著作者の生前プラス死後50年間」が原則です。

期間中は権利者の許可がなければ作品は利用できず、期間が終われば誰でも
ほぼ自由に使えます。特にとりきめがない場合、著作者の死後50年間は、
相続人全員の許可がなければ作品は使えません。

アメリカや国内の権利者団体17団体は、日本が期間をさらに20年延長するこ
とを求め、政府は2007年度中に結論を出すとしています。現在、この問題は
文化庁・文化審議会内の「過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会」
で討議されています。

「著作権保護期間の延長問題を考えるフォーラム」では延長問題について、
多様な意見や実証的なデータにもとづく慎重な議論を呼びかけています。

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今後、フォーラムからの情報が不要の方、また新規購読申し込み、配信メール
アドレスの変更を希望される方は、お手数ですが下記より:
http://thinkcopyright.org/mailform/

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著作権保護期間の延長問題を考えるフォーラム
http://thinkcopyright.org/ 【現在発起人106名】
E-mail: info@thinkcopyright.org

〒107-0062 東京都港区南青山5-18-5 1F
骨董通り法律事務所 For the Arts 内
TEL:03-5766-8980 FAX:03-5466-1107 (担当篠原)

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