著作権保護期間の延長問題を考えるフォーラム - thinkcopyright.org


フォーラムの公開シンポジウム

公開トークイベント vol.2 来場者アンケート結果

集計結果(有効回答数:38通)

●著作権保護期間の延長に
賛成 2名(5.3%)
保留 13名(34.2%)
反対 23名(60.5%)



●トークセッションを知ったのは
新聞:0%(0)
雑誌:0%(0)
知人:23.7%(9)
ブログなどオンラインメディア:7.9%(3)
thinkCのホームページ:7.9%(3)
thinkCのメールマガジン:13.2%(5)
DMCのメールマガジン:13.2%(5)
その他:34.2%(13)


アンケートコメントより抜粋

■延長すべきを選んだ理由

・創作者の著作権は、本来的には永久であるはずです。「創造性が満ち溢れ広く文化が共有される社会」大賛成ですが、共有とは無断、無償で、勝手に使い放題ということではないはずです。

・過去の著作物から生じる収益は、出版社、音楽出版社等によって新たな創作に再投下され、それによって現在活動する著作者や次代を担う新人にチャンスが与えられる。タダ、無料の世界から豊かな文化芸術を生み出すことはできない。

■保留を選んだ理由

・勉強不足のため、自分の信念が今はできていません。

・日本の慣習を考慮したり、文化的に見たら、現状維持または短縮したほうがいいと思うが、経済的な面を見ると、短い著作物保護期間ではやはり活性化は望めないと思うから。

・現状の法制度にぴての延長には賛成しかねるが、文化レベルが高まっている以上、コストも上がっているわけで、それを回収するうえでの延長は十分、根拠たると考えられる。事実、死後評価される作品も存するため、それらの保護も必要である。しかし、その分、ある程度の保護の規制をゆるめることが必要だともいえる。よって複雑な法改正を望むため検討が必要であると考えられる。

・具体的な対象によって可否はある気がする。

・どちらの言い分も面白かったので。クリエイティブな方面への可能性を考えると、延長しないに近いと思う。付加価値の最大化。

・まだデータとして、検証されていないから。

・延長、短縮ではなく、多様な権利の形態を選択可能にすることも有効だと思う。たとえば、長く保護される代わりに、著作権者が管理コストの一部を負担するなど。

・今、写真家の方が言われていたことですが、もっと見向きもされないものについて考えるべきではないでしょうか? 経済とか、著名なものに関する問題だけになりすぎている気がします。権利を必要としているの人もいます。

・延長するメリットがわからないため。個人的には、長さではなく、内容が問題だなと思えました。少なくとも、(1)著作権の所在と連絡先を一括して管理(ここにないものは、権利放棄とみなすくらいのレベルのもの)、(2)権利内容をクリエイター自身に選べるようにする(長さも0年でも100年でも奥方が生きている間でも)と、どうかと思いました。

・三遊亭師匠の意見で、著作権者の死後、保護期間を30年でもいいのでは?という考え方があったが、視点を変えた内容で、目からウロコであった。50年→70年問題だけえではなく、そもそも保護期間が変えられるのならば、期間短縮もありという視点からさらにこの問題について考えたいため保留とします。

・この論議をDriveしている人、「日本にとって」みたいな思想がなさそう。利己的な印象だから。

・今日の議論では、なぜ保護するのか、という本来の前提がないがしろになっていた気がします。「お金」の問題以前にクリエイティビティーを問うはずでは?

・反対に近いのだが、まだ確信にいたっていないので。多くの人の意見を聞きたいので。特に推進派の米国系の人々の意見を。

■延長に反対を選んだ理由

・著作権の保護機関を延長したからといって、経済活動が活性化されるとは限らないと思うからである。確かに、日本には人にはあまり知られていない商品や作品の発掘などの機会が減ってしまう可能性も多くあるかもしれないが、それによって経済が活性化するとい可能性も少ないと思う。

・富の再配分の主旨からいって死後50年で十分。戦時加算10年を廃止すべき。しかし、決着は戦時加算10年と引き換えに70年に延長だろうかと思う。

・共有するためには、流通を活性化するパブリックドメインにするのが、もっともよい選択肢だと思う。

・日本発のグローバルスタンダードを築く道を歩みたいと思います。

・著作物を利用する立場にとって、負担が増大するので。たとえば、非営利かつ無料のすべての利用は(公衆送信も含む)自由にするというような、権利制限を設けるとかするのなら別ですが。

・著作権は、著作者個人の権利であり、死後50年でも長すぎる。延長するより短縮すべきと思う。

・先人が作った創作物が後世のクリエイターを刺激します。そのためには、著作物はガチガチではかなりきゅうくつ。もっとゆるく、パロディを許してゆく方向性が創造を活性化sるうとも思います。なにしろ、50年を70年にすると、作品が忘れられてしまうし、原作者とは縁遠い権利者が口を出すことは百害あって一利なしと思えるのです。

・延長による経済的メリットが小さい。

・今回は延長反対の理屈として経済的な観点から語られていましたが、賛成派の言っていることを聞くと、それ以上に自分の作品をコントロール下におきたいからとうい理屈が強いように感じています。これは、著作権が財産権的な一面で語られがちなので、本当の部分が語られにくくなっているのではないかと思います。この2つの役割は分けられるべきと考えるので、まずは著作権制度自体の見直しをしてからのほうがよいのではないでしょうか。

・延長はEmergenceではないから。Emergenceでなければ、Co-Creationは起こらない。起こすためには短縮すべき。理由はそれで十分。

・その人の存命期間のみ。

・著作権の保護する目的は、あくまでも、文化の発展のためである。死後70年も保護することが、文化の発展に資するとは思えない。また、著作権は権利者が誰であるか、探索することが困難であり、利用を容易にするための制度も確立していない。さらに、日本の著作権法はアメリカと異なり、フェアユースの規定もない。このような状況下で、単に保護期間のみ延長することは、新しい創作活動の制限に結果的になると思う。

・メリットが明確ではない。特許などの審査により権利が成立する権利と比べても、今でも長い。保護の面だけでなく、利用を進めるための方法を検討すべき。映画やコンテンツ産業とのかねあいでは、著作権の保護期間が短くても、投資費用が回収できる仕組みを作るべき。子孫のために死後も保護するというのは、ほかの職業とのバランスを欠く。

・より自由に経済活動の活性化するためには延長しないほうがいいと思う。

・今日のフォーラムで、三遊亭師匠がおっしゃっていたように、個々の著作権はとても大切なものであり、しかしそれを皆で共有するのも大切ではないかと言うことはそのとおりであると思いました。その理由として、まず現時点で経済にどのような影響を及ぼすのかが、まだ見えない部分でもあり、あやふやであるからです。また、オープンにしていくことによって、社会によい影響を与えると考えられるからです。

・「カサブランカ」「市民ケーン」等クラシック映画を500円ほどの安価でDVDを販売する会社が出てきています。著作権保護期間が延長することで、これらクラシック映画を安価DVDとして販売することが難しくなってしまいます。安価DVDの存在は、普段、クラシック映画に触れることのあまりない、自分を含めた若者が手軽に触れるおとのできるよい機会であると考えます。また、若き映画クリエイターがクラシック映画に触れることで、なんらかの影響を受けて、それがまったく新しい作品として生まれ変われば、本国の文化発展につながると考えます。著作権保護期間を延長することは、「昔の作品」と「若者」の間を遠ざけてしまうのではないかと思います。

・コンテンツの利用が活発になるから。著作権を保有する人が生きている間+50年でもう十分だと思われる。50年を短縮する必要はそこまでないと思う。なぜなら、その間にコンテンツはオリジナリティを確保し、付加価値がつくから。それないと、クリエイターのメンタリティが下がると思う。海賊版の問題があるので、延長の検討と同時に、そっちの面も加え、管理すべきではにないか。

・著作物の利用を前提とした演奏活動を行っているため。

・伸ばす理由が、欧米に合わせる以外に見つからない。

・できるだけ早くパブリックドメインにすることで、新しい可能性が生まれる。青空文庫を岩波を呼んでください。

・クリエイターの立場より、経済効果でいろいろな人(著作者、利用者、権利団体、流通業者)をの意見を聞いてみたいので、まだ理由をいえるほど、勉強ができていません。

■今後、話を聞いてみたい人

・坂本龍一など音楽アーティスト

・法律の専門家である弁理士

・活動中のクリエイター

・みなもと太郎氏

・キース・カフーン氏(タワーレコード日本法人元社長)

・キャラクターライセンスを扱っている企業

・著作権管理者、つまり遺族の言い分。(松本先生の未亡人発言をほんとかどうか確認したいのです)

・誰と限らず、延長派の人々

・バーチャルネット法律娘、真紀奈

・欧米のどなたか。70年に延びて、どんな影響があったのか、知りたいです。

・遺族の立場の方

・マッドアマノ氏

・映画業界の方(クリエイター、映画ソフト販売会社の方など)

・著作権利益を得ている子孫、親族の話+著作権権利団体の話

・出版者、特に岩波、朝日、版画権と合わせて。

・ハリウッドのメジャースタジオの在日代表陣。同じ映画ジャンルで日本の大手映画会社の首脳陣。

■その他意見&感想

・今回発言された丹野氏が言った「著作権は潜在的に永遠」という考え方を掘り下げてみては? 賛成派の中で、可能な限り論理的で説得力のある。

・賛成派の方もバランスよく配置してほしい。ただ、今日のパネリストは皆、おもしろかったです。音楽系の方の話を聞いてみたいです。

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