■延長すべきを選んだ理由
・過去の著作物から生ずる収益は、出版社、音楽出版社等によって新たな創作に再投下され、それによって現在活動する創作者、そして次代を担う新人により多くのチャンスが与えることとなる。一部の特権階級がパトロンとして、芸術家を丸抱えするのではなく、広く市民の力で芸術を育む社会においては、過去の著作物を保護することによってこそ、創作のサイクルを活性化することができる。タダ、無料の世界では、過去の著作物のアイディアのみならず、表現までをも安易に使い回すような素人レベルの創作が活発になることはあっても、真の名作を生み出すプロフェッショナルな作り手を輩出することはできない。
■保留を選んだ理由
・「文化の発展」とは何か?が定まっていないため。
・「保護期間無限大」であっても、適切な社会設計ができる可能性が残されているように見えるため。むろん、現行システムがそのままの形で延長されるのなら論外。
・まだくわしくないので。
・ディスカッション中にもあるように、非常にデリケートな分野であり、よほど大きな問題が出ない限り、このバランスを維持すべきである。
・今回に関しては、延長等の議題でないため、改正は必ず必要であると考えられる。
・延長の商業的メリットはよくわかるが、延長停止によってユーザーにどのような利益があるのか、わかりにくい。権利を持たない消費者へのメリット以外は小さい気がする。
■延長に反対を選んだ理由
・創作者のインセンティブにならない。
・50年でも長すぎて経済的インセンティブは小さい一方で弊害は大きい。
・文化財消費サイクルの加速度的な短縮傾向がある中で、保護期間を延長するのはナンセンスであるから。
・創作には複製が必要な場面が多く、それを自由にできる環境が必要だから。
・商業作品の保護では「延長」以外の解がありうると思えるので。問題点をもっとクリアに定義されずに論じられがちだが・・・
・今回のトークが「延長」かどうかという話ではなかったので、従来と変わらず、今、延長する理由に説得力が足りないと感じている。
・もっと時間をかけて議論してから決めてほしいが、現在の自分は著作権保護が最小であることと、創意意欲の活性化がつながると考えていますので。
・白田先生の言うとおり、せまく強く守るべき。
・延ばしたところで、根本的な問題として、コンテンツの価値を正しく評価し、対価をもたらすことにるながらないから、期間の問題以外の領域も入れて考える話だと思う。
・著作権継承者の時代になると、その作品を守る姿勢が強くなり、しなやかに作品を愛する気持ちが失われていくように感じます(事例が多くあり)。作品を展開する仕事をする立場からは、70年に延びることは、その恐れが広がると考えるようになりました。個人親族が保持するままの70年延長は反対です。権利保持システムの確立が絶対必要です。
■今後、話を聞いてみたい人
・中山信弘教授
・「完全な」クリエイターvs著作権学者の論争。たとえば、同人作家(特に自己の作品の二次創作を否定する、二次創作出身の同人作家が実在します)
・出版者、版面権を主張している岩波書店
・コンテンツ保護技術(DRM)について
・クリエイターを呼んでのディスカッションをぜひ聞きたい。
・音楽系クリエイター、出版系の方
・どなたか、海外のクリエイターのお話を聞いてみたいです。
・システムを設計する側の人
・キース・カフーン氏
■その他意見&感想
・延長自体の話がなかった。別にいいけど。
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