古い作品を下敷きに(脚色・翻案して)新しい作品が生まれた例を書き込んでください。挙げていただいた例はできる限り掲載し、またその他の機会にご紹介させていただきます。
洋画からの翻案かと思われる作品が過去にいくつもあった。
一例を挙げると・・・
(原案作品邦題→日本のドラマ、の順)
・『フォーエバー・フレンズ』→『素顔のままで』(フジテレビ系)
・『リアリティ・バイツ』→『夢みる頃を過ぎても』(TBS系)
・『ゆりかごを揺らす手』→『冷たい月』(よみうり系)
『夢みる・・・』については原案映画作品をドラマ中に実際に導入させていた(もちろんクレジット併記あり)。
残り2作品については公言されては居なかったかもしれないが、原案作品を知っている人同士では、ストーリーが同じだと話題になっていた記憶がある。
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当然ながら、別に、真似するのが悪いというわけではない。
原案作品を練り直し発展させていくということは、決して原案作品を貶める意味合い(意図)で為される創作、と考えられるべきものではないはず、と言いたい。
また、翻案作品の登場によって原案作品に思いを馳せることが出来るのは、作品を純粋に楽しみたいファンとしては醍醐味のひとつであろう。このことは、作品の種類(文学、映画、音楽など)を問わず共通のものであると思うが、いかがであろうか。
敵対する国(集団)の王子と姫の恋物語
↓
ロミオとジュリエット
↓
ウェストサイド物語
↓
甲賀忍法帖(山田風太郎)
という流れがあると確信していますw
追記:前半は※9に既出でした。orz
山田風太郎の傑作「妖異金瓶梅」は「金瓶梅」をミステリ作品にしたものらしい。(私、原作未読ですが)
他にも「妖説太閤記」(太閤記か?)「八犬伝」(南総里見八犬伝)がある。
逆に山田風太郎作品を映画化、マンガ化したものも「魔界転生」をはじめ多数あり。
また忍法帖シリーズにある、各人が特異な超能力(忍法とかエスパーとかスタンドとか…)を持ってチームとして戦うというような仕組みは、今はありがちなものという気がする。ロールプレイと混ざって定着したのだろうか。
田辺聖子『新源氏物語』
瀬戸内寂朝『女人源氏物語』
小林信彦『唐獅子源氏物語』
橋本治『窯変 源氏物語』
大和和紀『あさきゆめみし』(漫画)
堀川とんこう(監督)『千年の恋 ひかる源氏物語』(映画)
その他,多数あると思います。
夏目漱石の著作を下敷きにしているもの
『坊ちゃん』
小林信彦『うらなり』
『我輩は猫である』
内田百間『贋作 吾輩は猫である』
『こころ』
榎本ナリコ『こころ』(漫画。現代に舞台を移している)
『夢十夜』
『ユメ十夜』(映画。オムニバス)
黒澤明『夢』は脚色・翻案ではありませんが各話を“こんな夢を見た”という字幕で始めており,影響がうかがえます。
ヘレン フィールディングの「ブリジット・ジョーンズの日記」はジェーン・オースティンの「プライドと偏見(自負と偏見、高慢と偏見)」をベースにして書かれたようです。
両方の映画を見たら同じ展開だと気がついたけど、映画の製作も同じところだったようです。orz
主題歌だけはよかったので、書きたくないけどゲド戦記。
スタジオジブリ広報「テルーの唄の作詞について記載される場合は『萩原朔太郎の詩、こころに着想を得て作詞されました』と表記していただくようお願いいたします」
http://news.livedoor.com/trackback/2817498
○曽祢まさこ「ジェニーの微笑」 (初出昭和56年 なかよし11月号)
オスカー・ワイルド「ドリアン・グレイの肖像」の翻案した少女漫画です。ドリアンを少女ジェニーに、肖像画をジェニーをモデルに作られた抱き人形に置き換えて、ジェニーが意地悪になるほど本人は天使のような美少女なのに、人形の顔が変質していってしまう…
現在は講談社漫画文庫「七年目のかぞえ唄」に収録されています。
川口松太郎の『鶴八鶴次郎』は、アメリカ映画の『ボレロ』の翻案、大仏次郎の『鞍馬天狗』の元は、『紅はこべ』だそうです。
黒澤明の『七人の侍』も、黒澤はロシアの民話を元にしたと言っています。橋本忍は、違う言い方をしていますが。
東映映画、高倉健主演、降旗節男監督の『地獄の掟に明日はない』は、明らかにフランス映画『望郷』のリメイク。八木正夫の音楽も、マイルス・ディビスの『スケッッチ・オブ・スペイン』、すなわち『アランフェス交響曲』でした。
1960年代、三保敬太郎らがやった映画音楽には、当時のジャズの名曲の借用が多数ある。
『ゴジラ』の伊福部昭先生の音楽も、ストラビンスキーに大きな影響を受けたとも言えるでしょう。
『カサブランカ』が、日活で『夜霧よ今夜もありがとう』や『波止場の賭博師』になったのは余りのも有名だが、東映にも『疾風怒涛峠』というのがあるそうです。
いずれにせよ、ポピュラー文化では、先行作品が多くの作家を刺激して新たな創作を作り出すのは当然のこと。
和歌では、昔から「本歌取り」という手法もあり、歌舞伎でも「時代や世界定め」というのがある。
創作は言うまでもなく個人的営為だが、それは先行作品を摂取、そこに寄り添うことで、大げさに言えば個人性を超え、集団的、共同的、民族的な感情や感性に達することが出来るのである。
そこにいちいち著作権を主張していたら、新たな創作は生まれなくなるでしょう。
著作権期間の延長など、全く馬鹿げた主張であることは、明確。
延長には強く反対します。
・巌窟王
原作デュマの「モンテ・クリスト伯」ですがWikiを見ると
「虎よ虎よ」をアニメ化しようととしたが著作権の問題で
果たせず「虎よ虎よ」の原作の「モンテ・クリスト伯」を
アニメ化したとか。
映画と小説は切っても切れない関係にあるので、海外の映画監督まで広げると限りなくあり、書き込んでもいいものかどうかさえ迷ってしまうのですが・・とりあえず有名なところだけ。
☆ルキノ・ヴィスコンティ監督
・「OSSESSIONE」(邦題「郵便配達は二度ベルを鳴らす」)
ジェームズ・ケインの 「郵便配達は二度ベルを鳴らす」
(ボブ・ラフェルソン監督の同名作品あり)
・「LE NOTTI BIANCHE」(邦題「白夜」)
フョードル・ドストエフスキーの「白夜」
・「LO STRANIERO」(邦題「異邦人」)
アルベール・カミュの「異邦人」
・「MORTE A VENEZIA」(邦題「ベニスに死す」)
トーマス・マンの「ベニスに死す」
・「LA CADUTA DEGLI DEI」(邦題「地獄に落ちた勇者ども」)
フョードル・ドストエフスキーの「悪霊」
☆アンドレ・タルコフスキー監督
・SOLARIS(邦題「惑星ソラリス」)
(スティーヴン・ソダーバーグの同名作品あり)
スタニスワム・レムの「惑星ソラリス」
・「СТАЛКЕР」(邦題「ストーカー」)
アルカジー・ストルガツキー、ボリス・ストルガツキーの「ストーカー」
☆ルイ・マル監督
・「ASCENSEUR POUR L'ECHAFAUD
FRANTIC」(邦題「死刑台のエレベーター」)
ノエル・カレフ「死刑台のエレベーター」
・「ZAZIE DANS LE METRO」(邦題「地下鉄のザジ」)
レイモン・クノーの「地下鉄のザジ」
・「LE FEU FOLLET」(邦題「鬼火」)
ドリュー・ラ・ロッシェルの「ゆらめく炎」
・「VANYA ON 42nd STREET」(邦題「四十二丁目のワニャー」)
アントン・チエホフの「四十二丁目のワニャー」
☆ハワード・ホークス監督には、ウィリアム・フォークナーがついておりましたし、「三つかぞえろ」は、レイモンド・チャンドラーの作品だったと思います。
☆ジョン・ルイ・カリーノ監督の「THE SAILOR WHO FELL FROM GRACE WITH THE SEA」は三島由紀夫の「午後の曳航」ですね。
間違いがあるやもしれません。間違いがありましたら、またご指摘ください。訂正いたします。
世話人の福井と申します。皆さん、情報提供どうもありがとうございます。
黒澤監督といえば、もう一人の巨匠溝口健二の代表作が「雨月物語」(原作は江戸時代の上田秋成)、「山椒太夫」(原作は森鴎外の同名小説で、そのまた下敷きは中世の説教節)など。
他方、ドストエフスキーといえば、「罪と罰」は何度も映画化されているほか、手塚治虫が漫画化してますね。彼は、ゲーテ「ファウスト」も漫画化しており、また翻案とは言えないでしょうが、フリッツ・ラングの傑作映画「メトロポリス」を下敷きにして、漫画「メトロポリス」も描いてます。
しかし、私の場合、「罪と罰」の漫画化で真っ先に思い浮かぶのは大島弓子の「ロジオン・ロマーヌイチ・ラスコーリニコフ」(大島弓子選集では3巻収録)です。実に美しい作品でした。また、舞台では野田秀樹が「贋作・罪と罰」を作りました。
また、ミュージカルですと「ウェストサイド物語」のほか、大ヒット作「レ・ミゼラブル」は同名のユーゴーの小説から、「オペラ座の怪人」も同名のガストン・ルルーの小説から。
そういえば、もうすぐ著作権が切れる(予定の)吉川英治も、「三国志」「新・水滸伝」「新・平家物語」など、古典の原作・原案ものが多いですね。
映画・
黒澤明監督
「どですかでん」(脚本・黒澤明・橋本忍ほか共同)→山本周五郎「季節のない街」
「羅生門」→芥川龍之介「藪の中」
「白痴」→ドストエフスキー「白痴」
作家・フョードル・ドストエフスキー
「罪と罰」→島崎藤村「破戒」
「悪霊」→埴谷雄高「死霊」
まだまだあるはずです・・
パガニーニのバイオリン曲をモチーフにしたすばらしい楽曲がいろいろあります。
ラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」
リストの「パガニーニによる超絶技巧練習曲」
他、シューマン、ブラームス等もパガニーニの曲をモチーフとした自作を発表しています。
ウェストサイドストーリーがシェイクスピアのロミオとジュリエットからの翻案というのは非常に有名な話ですね。
ドイツの作曲家ヨハン・パッヘルベルの「カノン」は、山下達郎の「クリスマス・イブ」、橋本祥路「遠い日の歌」、戸川純「蛹化の女」をはじめ、多くのポピュラー音楽で編曲・あるいはモチーフにされ曲中で使われている。
詳しくは以下を参照のこと。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%8E%E3%83%B3_%28%E3%83%91%E3%83%83%E3%83%98%E3%83%AB%E3%83%99%E3%83%AB%29
柔道マンガは、数多くあるが、その中で「山嵐」(現在のルールでは事実上使用不可能な技)が必殺技として、登場するものは、富田常雄「姿三四郎」のアイデアをベースにしている。
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名作オペラを下敷きにリメイク、或いは部分的にモチーフにしたと思われる作品は多数。これも、原案作品を知っている人の間では普通に理解されていることである。
*ミュージカル『RENT』
・・・プッチーニ作の歌劇『ラ・ボエーム』からの翻案であることは明記されている。
*ミュージカル『オペラ座の怪人』
・・・劇中劇が3つあるが、いずれも既存のオペラ作品のストーリーや人物設定をモチーフにしていると思われる。
(劇中劇→既存のオペラ、の順)
・「ハンニバル」→ヴェルディ作『アイーダ』の凱旋シーン
・「イル・ムート」→R.シュトラウス作『薔薇の騎士』
・「ドンファンの勝利」→モーツァルト作『ドン・ジョヴァンニ』